Japanese
English
原著
紅皮症に併発したカポジー水痘様発疹症の1例
Kaposi's Varicelliform Eruption Complicating Erythroderma
藤岡 彰
1
,
落合 豊子
1
,
馬場 俊一
1
,
鈴木 啓之
1
Akira FUJIOKA
1
,
Toyoko OCHIAI
1
,
Shunichi BABA
1
,
Hiroyuki SUZUKI
1
1日本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.537-541
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203702
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症例は62歳,男性.昭和59年3月,背部に瘙痒性皮疹が出現.近医で治療を受けたが漸次全身に拡大したため,同年11月当科を受診し,紅皮症の診断で入院した.ステロイド軟膏の外用療法を主体に治療を開始.入院18日目に突然発熱し,同時に左口角に膿疱を生じた.2日後には顔面全体および体幹に膿疱,糜爛は拡大した.疱膜のウイルス性巨細胞陽性.カポジー水痘様発疹症を疑い,免疫グロブリンの静注を施行したが効果なく,アシクロビルの静注が著効した.カポジー水痘様発疹症の皮疹が軽快してきた時,一時期,紅皮症の皮疹に軽快傾向を認めた.61年3月には帯状疱疹も発症した.諸検査より,自験例をherpes simplex virusの再燃による,紅皮症に併発したカポジー水痘様発疹症と考えた,併発した原因として,皮膚barrierの低下,ステロイド剤の外用,細胞性免疫能の低下が考えられた.
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