Japanese
English
原著
腹直筋皮弁を用いて再建した胸部放射線潰瘍の2例
Reconstruction of the Radionecrotic Chest-wall with the Rectus Abdominis Musculocutaneous Flap
浦田 裕次
1
,
中西 浩
1
,
塙 伸太郎
1
,
大原 国章
1
,
浅野 さとえ
2
Yuji URATA
1
,
Hiroshi NAKANISHI
1
,
Shintaro HANAWA
1
,
Kuniaki OHARA
1
,
Satoe ASANO
2
1虎の門病院皮膚科
2同愛記念病院皮膚科
1Department of Dermatology, Toranomon Hospital
2Department of Dermatology, Doaikinen Hospital
pp.245-249
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203627
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乳癌手術後の放射線照射による潰瘍を腹直筋皮弁を用いて再建した2例を報告した.放射線による皮膚障害は軽症の場合は保存療法で十分であるが,深達性の潰瘍がある場合は手術療法が必要となり,筋皮弁術のよい適応となる,胸部の放射線潰瘍に対しては,従来は広背筋皮弁術が,よく用いられてきた.しかし,1977年Drever1)が腹直筋皮弁術を提唱してから,多数の報告が認められるようになった.腹直筋皮弁は,広背筋皮弁と異なり,術中の体位変換が不要であり,出血する可能性も低く,donor siteへの植皮をしなくても,比較的広範囲を被覆できることなどの利点がある.欠点として腹壁ヘルニア,腹部皮膚の緊張の増強,臍の下方への偏位がある.しかし適応を考慮すれば,非常に有用な術式と思われた.
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