Japanese
English
原著
Sjögren症候群の母親から出生した新生児エリテマトーデス
A Case of Neonatal Lupus Erythematosus Born by the Mother with Sjögren Syndrome
高橋 良造
1
,
中村 準之助
2
Ryozo TAKAHASHI
1
,
Junnosuke NAKAMURA
2
1高橋皮膚科医院
2北海道健康保険北辰病院皮膚科
1Takahashi Dermatological Clinic
2Division of Dermatology, Hokushin Hospital
pp.341-345
発行日 1986年4月1日
Published Date 1986/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203439
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Sjögren症候群と診断し得た母親から出生した典型的な新生児エリテマトーデスの1例を報告した.患者は生後55日の女児で,ほぼ全身に拇指頭大までの環状ないしDLE様の紅斑が多発し,肝腫,肝障害も認められた.組織学的に典型的なLEの所見を欠くが,表皮真皮境界部にIgGの線状沈着があった.皮疹は生後3カ月までに殆ど消失,一方,肝障害は4カ月過ぎまで持続した.患児の母親は29歳で一見健康そうにみえたが,精査の結果,昭和52年設定の診断基準3項日のすべてを満足し,Sjögren症候群と診断された.母子ともに血清中に抗核抗体(speckled type),抗SS-A抗体が証明された.本症の母親にはSjögren症候群が少なくないことを指摘し,それに関する精査の必要性を強調した.また本症と本症候群との症候論的類似性を推測した.
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