Japanese
English
原著
皮膚腫瘍におけるCarcinoembryonic Antigen
Carcinoembryonic Antigen in Skin Tumors
勝見 伸也
1
,
赤井 昭
2
Shinya KATSUMI
1
,
Sho AKAI
2
1新潟大学医学部皮膚科教室
2県立ガンセンター新潟病院皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Division of Dermatology, Cancer Center Niigata Hospital
pp.253-257
発行日 1986年3月1日
Published Date 1986/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203423
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原発性皮膚腫瘍25例におけるcarcinoembryonic antigen (CEA)をperoxidaseantiperoxiclase (PAP)法にて検索した.正常皮膚の構成要素でCEA陽性を示すものは汗器官以外になかった.汗器官におけるCEA陽性反応は分泌部細胞の胞体内ならびに管腔内貯留物にみられ,汗器官の腫瘍は全例で種々の程度のCEA陽性を示した.汗器官以外の原発性皮膚腫瘍は全てCEA陰性であった.Paget病のCEA陽性反応は陰部Paget病が最も強く,腋窩,次いで乳房Pagct病の順に弱かった.エクリン腺由来と思われる腫瘍ではCEA陽性反応は真皮内のもので強く,殊に澄明細胞に一致して見られたことから,これが分泌部細胞への分化を意味するものと考えた.CEA陰性でも汗腺腫瘍を否定することはできないが,CEA陽性ということは皮膚腫瘍の診断上大きな意味を持つものと考えられ,それに適合する自験2例について述べた.
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