Japanese
English
原著
Letterer-Siwe病の1例
A Case of Letterer-Siwe Disease
大沢 純子
1
,
石井 則久
1
,
長谷 哲男
1
,
中嶋 弘
1
Junko OHSAWA
1
,
Norihisa ISHII
1
,
Tetsuo NAGATANI
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
pp.657-661
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203081
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8カ月,男児.生後5カ月頃より,陰股部に紅斑・びらんが出現し,某医にてステロイド外用療法を受けたが改善せず,皮疹は漸次拡大し,生後8カ月目に皮膚生検により,Letterer-Siwe病と診断された.診断時のLahey scoreは2点で,肝・肺・造血器など主要臓器の機能障害は認められなかった.腹部の痂皮性丘疹の生検像は典型的で,真皮上層から一部表皮内にかけて組織球の浸潤が著明であった.さらにPAP法によるS−100蛋白染色を行なったところ,浸潤した組織球が核・細胞質ともに選択的に染まる所見を得た.治療はプレドニゾロンとメトトレキセートの経口投与を4週間施行したのみで,皮膚症状,血液所見ともに正常化した.発症後7カ月に至る現在も重篤な障害は現われず,Letterer-Siwe病の良性型と考えられる.
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