Japanese
English
原著
Letterer-Siwe病—免疫組織学的に検討した1例
A Case of Letterer-Siwe Disease Studied Immunohistologically
田中 正明
1
,
勝海 薫
1
,
松崎 照樹
1
,
増子 倫樹
1
,
永井 透
1
,
佐藤 良夫
1
,
岡 吉郎
2
Masaaki TANAKA
1
,
Kaoru KATSUUMI
1
,
Teruki MATSUZAKI
1
,
Tomoju MASHIKO
1
,
Touru NAGAI
1
,
Yoshio SATO
1
,
Kichiro OKA
2
1新潟大学医学部皮膚科教室
2長岡赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
2Section of Dermatology, Nagaoka Red Cross Hospital
pp.1041-1046
発行日 1986年11月1日
Published Date 1986/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203564
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
11カ月,男児.生後3カ月頃より,陰股部に糜爛,背部に紅色丘疹が出現し,長岡赤十字病院皮膚科でLetterer-Siwe病と診断され,精査の目的で新潟大学医学部皮膚科を紹介された.左前胸部の痂皮性丘疹は,組織学的に真皮上層から一部は表皮内にかけて組織球増殖が著明であった.増殖細胞は,電顕的にBirbeck顆粒を有し,免疫組織学的にS100β,OKT6,OKT4,OKIal陽性であった.以上より,自験例をLetterer-Siwe病と確診した.初診時,病変は皮膚およびリンパ節に限局していたが,次第に悪化し,肝脾腫,中耳炎,顎骨病変などを生じてきた.プレドニソロン,ビンブラスチンの併用にて軽快し,減量中一時再燃をみたが,現在,両剤の併用により寛解状態を保っている.しかし発育障害がみられ,今後さらに種々の障害の出現も予想され,経過観察中である.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.