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Letterer-Siwe病と皮疹のタッチ標本
西村 昻三
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1聖路加国際病院・小児科
pp.1039-1040
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201859
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Letterer-Siwe病は,組織球の増殖性の疾患であるReticuloendotheliosisのなかでもつとも経過の早い,そして予後の悪いもので,2歳以下の小児に起こることが多いとされているが,1歳以下の乳児の場合にはことに予後が悪く通常不治といわれている。また,まれではあるが,先天性のもの,家族性のもの,成人症例の報告もある。
本症は,骨の好酸性肉芽腫,Hand-Schüller-Christian病などと病因上同一の疾患で,臨床像の差はおのおのの表現の差にすぎないとの考え(一元説)が一般に受けいれられるようになつてきている。すなわちReticuloendotheliosisのなかで本症がもつとも重症型で広範なひろがりをもつのに対し,骨の好酸性肉芽腫はもつとも軽症型で,限局性の病変を示すにすぎず,Hand-Schüller-Christian病は,両者の中間に位置するものとされている。Lichtensteinはこれらに対しHistiocytosis Xなる名称を用いることを提唱し,これを限局型,慢性汎発型,急性汎発型の三者に分けたが,これはそれぞれ骨の好酸性肉芽腫,Hand-Schuller-Christian病,Letterer-Siwe病に相当するものである。
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