Japanese
English
原著
Pulse療法を行なった全身性エリテマトーデスの1例
A Case with Systemic Lupus Erythematosus Treated by Methylprednisolone Pulse Therapy
四本 秀昭
1
,
下川 優子
2
,
田代 正昭
2
Hideaki YOTSUMOTO
1
,
Yuko SHIMOKAWA
2
,
Masaaki TASHIRO
2
1国立南九州中央病院伊敷分院皮膚科
2鹿児島大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Ishiki Blanch Hospital of National Minamikyushuchuo Hospital
2Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kagoshima University
pp.523-526
発行日 1984年6月1日
Published Date 1984/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203056
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
近年,超大量のコルチコステロイド剤を一時的に投与するpulse療法が重症のSLE患者で行なわれ,その有効性が指摘されている.
我々は,従来のpulse療法の適応から多少はずれた,発熱,関節痛,全身倦怠感があり,検査成績でcirculating immune complexes (CIC)がやや高値,低補体価(CH50)を示したSLE患者にpulse療法を行なった.Pulse療法後3日目には自覚症状は消失し,CICは,pulse療法直後高値を示したものの,3日目にはpulse療法前のレベルとなった.そして,6日目に正常上限迄CIC値が低下した.CH50は6日目にやや上昇傾向がみられた.5週目にはCICはほとんど検出できず,CH50は正常値となった.
以上から,ループス腎炎や脳神経症状を伴うSLEの他にも,SLEのいくつかの指標が活動性を示すような症例ではpulse療法が十分に適応となると考えた.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.