原著
Morphea-like Basal Cell Epithelioma
四本 秀昭
1
,
下川 優子
1
,
酒井 和彦
1
,
田中 隆光
1
,
田代 正昭
1
Hideaki YOTSUMOTO
1
,
Yuko SHIMOKAWA
1
,
Kazuhiko SAKAI
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Masaaki TASHIRO
1
1鹿児島大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kagoshima University School of Medicine
pp.61-63
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202974
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皮膚科領域の悪性腫瘍の中で,基底細胞上皮腫(BCE)は我々が比較的よく遭遇する疾患である.しかし,mophea-like BCEはBCEの中では稀とされている.我々は37歳,女性の右頬部に生じたmorphea-like BCEを経験したので報告した.又,morphea-likeBCEの本邦報告例19例を集計し臨床症状,治療について検討した.本邦例においては,色素沈着,潰瘍化する症例の比較的多いことが特徴であると考えられた.本症では腫瘍が真皮深層や筋組織へ浸潤する傾向が強いことが特徴の一つとしてあげられているが,推定発症時より3年程度迄の症例では腫瘍細胞が真皮網状層にとどまっていることが多く,又,10年以上経過した症例では真皮深層や皮下脂肪組織へ浸潤している例が多く,本症の治療上,罹病期間が切除範囲を決める上で一つの指標となると考えた.
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