Japanese
English
原著
Granulocytic Sarcoma(Myeloblastoma)—腫瘤形成後3年を経て白血化を認めた症例
Granulocytic Sarcoma (Myeloblastoma): Preceding Acute Myeloblastic Leukemia (AML)
窪田 泰夫
1
,
渡辺 晋一
1
,
堀 嘉昭
2
,
岩田 純一
3
,
大橋 辰哉
3
Yasuo KUBOTA
1
,
Shinichi WATANABE
1
,
Yoshiaki HORI
2
,
Junichi IWATA
3
,
Tatsuya OHASHI
3
1東京大学医学部皮膚科教室
2東京大学医学部附属病院分院皮膚科
3東京大学医学部第一内科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Dermatology, University of Tokyo Branch Hospital
3Department of 1st Internal Medicine, University of Tokyo
pp.437-442
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203041
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
白血病の経過中,結節や腫瘤の形成をみることは少なくない.これらは"腫瘤形成性白血病"と呼ばれている1).このうち骨髄性幼若細胞より成る骨髄芽球腫を形成するものでは急性転化などと密接に関連し,予後不良の前兆と理解されている,しかし,きわめて稀ではあるが,末梢血や骨髄への白血病細胞の浸潤に先行して腫瘤形成をみることがあり,しばしばmycosis fungoidesなどのmalignant lymphomaと誤診されやすい.
今回われわれは左副睾丸腫瘤で気づかれ,その後著明な多発性皮膚腫瘤とリンパ節腫脹をきたし,これら腫瘤は骨髄芽球腫であり,腫瘤形成後3年を経てはじめて末梢血や骨髄に白血化を認めた41歳,男性の症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.