Japanese
English
原著
先天性三角形脱毛症(Congenital Triangular Alopecia)の2例
Two Cases of Congenital Triangular Alopecia
前川 嘉洋
1
,
木藤 正人
1
,
江川 清文
1
Yoshihiro MAEKAWA
1
,
Masato KITO
1
,
Kiyohumi EGAWA
1
1熊本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kumamoto University Medical School
pp.373-376
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203029
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症例1は11歳男子.生下時より右側頭部に生毛を有する脱毛巣があったが,水疱・糜爛などは認められなかった.脱毛巣は比較的境界明確な三角を呈する不完全脱毛巣で,底辺は前力髪際に接し,頂点は前頭骨の縫合線上で頭頂部を指す様な位置にある.病巣皮膚は軽度萎縮状を呈し,軟毛多数を認めるが終毛は認められない.組織学的に表皮には異常ないが,毛包数は減少しそれらのすべては小型で,軟毛型毛包の所見を呈する.弾力線維,膠原線維には著変はなく,附属器周囲に炎症性細胞浸潤を認めない.症例2は12歳男子で,生下時より右前頭部の脱毛巣が存在した.組織像は症例1とほぼ同様で,これらの所見からSabouraud, Minarsらが報告した先天性三角形脱毛症(congcnital triangular alope—cia)と考え,先天性脱毛症における本症の鑑別疾患や治療について言及した.
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