Japanese
English
原著
マンソン孤虫症—免疫学的手法を用いて診断した1例
Sparganosis Mansoni Diagnosed by Immunological Examinations
浦野 聖子
1
,
菅谷 圭子
1
,
夏目 典子
1
,
岩月 啓氏
1
,
田上 八朗
1
,
山田 瑞穂
1
,
記野 秀人
2
,
石井 明
2
,
森岡 洋子
3
Shoko URANO
1
,
Keiko SUGAYA
1
,
Noriko NATSUME
1
,
Keiji IWATSUKI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Mizuho YAMADA
1
,
Hideto KINO
2
,
Akira ISHII
2
,
Yoko MORIOKA
3
1浜松医科大学皮膚科教室
2浜松医科大学寄生虫学教室
3浜松赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
2Department of Parasitology, Hamamatsu University School of Medicine
3Division of Dermatology, Hamamatsu Red Cross Hospital
pp.869-873
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202917
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大腿部の無痛性硬結を主訴として来院した52歳の男性患者において.虫体の確認はできなかったが,①生のカエルを食べた既往,②虫体抗原を用いた皮膚反応で陽性を示したこと,③オクタロニー法,間接螢光抗体法にて虫体抗原に対する血清抗体が認められたこと,④組織標本にていわゆる"航跡所見"(虫体移動のあとの虫道)と思われる像が認められたこと,などより,マンソン孤虫症と診断した.
また,その組織標本において認められた多数の好酸球浸潤の機序に関し,検索を行い,生体の免疫反応が好酸球の遊走に大きな役割りを果たしていることを推測した.
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