Japanese
English
原著
Acral Lentiginous Melanoma
A Case of Acral Lentiginous Melanoma
寺尾 祐一
1
,
浅井 芳江
1
,
濱田 稔夫
1
Yu'ichi TERAO
1
,
Yoshie ASAI
1
,
Toshio HAMADA
1
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
pp.171-176
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202585
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51歳,女性の右第3指末節に原発したacral lentiginous melanoma (ALM)の1例を報告した.初診の約7年前に同部に外傷の既往があり,以後褐色調の色素斑に気付いたが放置していたところ,初診の約6ヵ月前に色素斑部に,表面に潰瘍を有する結節を認め,治癒しにくいため当科を受診した.原発巣の組織像は,色素斑部では表皮基底層に異型のメラノサイトの増殖と,多形性を示す腫瘍細胞から構成される胞巣が存在し,腫瘤部では真皮全層に亘って,主として紡錘形の腫瘍細胞が密に浸潤している.Dopa反応はいずれの部位の腫瘍細胞もdopa陽性を示した.ALMの組織像と他のmelanomaの組織像との鑑別について若干の考按を試みるとともに,ALMは増殖過程がradial growthphaseとvertical growth phaseの二相性を有し,予後の悪いもので,悪性黒色腫の第4の病型として一つのentityをもつものであることを強調した.
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