Japanese
English
原著
乳頭腫について—教室例の検討を中心に
Papilloma: A Clinicopathological Study on Our Cases
木村 俊次
1
Shunji KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.65-69
発行日 1981年1月1日
Published Date 1981/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202361
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最近20年間に慶大皮膚科で乳頭腫と臨床診断され組織学的検索を併せ行いえた59例について臨床・病理学的に検討した.その結果,尋常性疣贅15例,脂漏性角化症12例,疣状母斑4例,尖圭コンジローム3例,線維腫2例,母斑細胞母斑2例など組織診断の明らかなものは44例で,残る15例は乳頭腫およびアカントームとする他はなかった.ただし,年齢,性,発生部位,初診迄の経過,色調などの臨床的事項は基礎疾患の診断にある程度役立つことがわかった.乳頭腫の分類については従来のものはいずれも不十分であるが,新たに提唱する必要はないこと,また乳頭腫という名称は臨床的・組織学的症状名として暫定的には便利な概念であり,これからも残して構わないとの結論を得た.
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