Japanese
English
原著
前頸部の軟骨母斑
Naevus Cartilagineus on the Neck
木花 光
1
,
菅原 信
1
Akira KONOHANA
1
,
Makoto SUGAWARA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.191-196
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202192
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前頸部両側にみられた軟骨母斑の11歳男子例を報告した.組織学的に軟骨組織塊を1個認め,Elastica van Gieson染色にて弾力軟骨と同定した,また真皮に毛包の多発,軟骨組織近傍にパシーニ小体,横紋筋組織を認めた.組織学的に軟骨の存在を確認しえた前頸部軟骨母斑の本邦報告例は18例で,軟骨はほとんどの例で弾力軟骨であり,毛包の多発,パシーニ小体,横紋筋組織が認められた例もあった.臨床的鑑別診断としては,正中頸嚢胞,側頸嚢胞などがあげられるが,生下時より存在し軟骨様硬に触れるという特徴のため診断は困難ではない.本症の発生については,未だ定説がなく,病名も副耳,副耳珠など種々ある,Brownstein et al.は第1鰓弓由来であるとしたが,著者らは第2以下の鰓弓由来であると文献的に推測した.
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