Japanese
English
原著
鉤虫科の幼虫迷入症と考えられる皮膚爬行症の1例
A Case of Cutaneous Larva Migrans Caused by a Species of Hookworms
千葉 紀子
1
,
下田 祥由
1
,
関 建次郎
1
,
神田 錬蔵
2
Toshiko CHIBA
1
,
Nagayoshi SHIMODA
1
,
Kenjiro SEKI
1
,
Tozo KANDA
2
1聖マリアンナ医科大学皮膚科教室
2聖マリアンナ医科大学病害動物学教室
1Department of Dermatology, St. Marianna University School of Medicine
2Department of Medical Zoology, St. Marianna University School of Medicine
pp.653-658
発行日 1978年8月1日
Published Date 1978/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201934
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1)川崎市多摩区在住の1患者に皮膚爬行症に一致する皮疹をみとめ,組織学的に虫体の断面を認め,鉤虫科の幼虫迷入症と診断された.
2)診断に最も大切なことは生きた虫体を完全な形でとり出すことにあり,病理組織標本では種の同定は不可能であった.
3)鉤虫科以外の病害動物による皮膚爬行症ないしは類似の皮疹の臨床的特徴をあげ,鑑別診断を行い,本例が臨床所見からみても鉤虫科の幼虫による皮膚爬行症に一致することを述べた.
4)組織学的変化は虫体を中心とし,好酸球と小円形細胞浸潤を基調とするが,表皮角層より皮下組織に及び,皮膚の組織構造に従って多彩,複雑な分布を示し,興味あるものであった.
5)末梢血には好酸球増多を認めなかった.
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