原著
Adenoma of The Nipple
佐藤 則子
1
,
菅原 信
1
,
北村 啓次郎
1
Noriko SATO
1
,
Makoto SUGAWARA
1
,
Keijiro KITAMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.907-910
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202127
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要約 52歳,主婦.10ヵ月来,右乳頭に糜爛,出血を伴う硬結出現.圧痛・瘙痒あり.臨床的にPaget病などを疑い生検の結果,adenoma of the nippleと診断された1例を報告した.病理組織学的には,乳頭先端より導管を介して主として真皮中層に多数の管腔様構造を認め,境界は比較的明瞭である.一部では充実性増殖をみる.本症は臨床的にはPaget病と鑑別不能であるが,病理組織学的にはPaget病とは全く異なり非浸潤性乳管癌などとの鑑別が問題となる.治療として単純乳房切断術を施行した.
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