Japanese
English
原著
Postoperative Alopeciaについて
Eighteen Cases of Postoperative Alopecia
和泉 秀彦
1
,
常田 順子
1
,
兼松 勲
1
,
森 俊二
1
Hidehiko IZUMI
1
,
Yoriko TSUNEDA
1
,
Isao KANEMATSU
1
,
Shunji MORI
1
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
pp.865-870
発行日 1978年10月1日
Published Date 1978/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201966
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最近5年間に岐阜大学皮膚科において経験した,手術後に限局性脱毛症を生じたpostoperative alopeciaと考えられる18例について,その臨床像の特徴をまとめて報告した.9例は慢性中耳炎と関係し,根治術または鼓室形成術を行った患者で,長時間の手術時間を要した後,2日後から14日後迄の間に手術側(患耳)と反対側の側頭部に脱毛巣を生じた.他の9例は外科や産婦人科などで長時間の手術の行われた患者の後頭部に脱毛巣の形成をみた.脱毛を生ずる前にしびれ感,異和感など局所の前駆症を伴う事もあるが,大部分は突然に脱毛巣が生じている.形は三角,扇形および帯状など不定形で,円形に生ずる事は少ない.経過は大部分が1〜2カ月の内に,長いもので5カ月で治癒した.原因の一端として一定体位で長時間枕,ベッド等で圧迫を受けたため局所の阻血,循環障害をきたし,ひいては毛根の退行期への移行を早めたものと考えられた.
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