Japanese
English
原著
エバンスブルー疹の3例
THE ERUPTION DUE TO EVANS BLUE
川津 友子
1
,
晒 千津子
1
,
川津 智是
1
,
平松 博子
2
Tomoko KAWATSU
1
,
Chizuko SARASHI
1
,
Tomoyuki KAWATSU
1
,
Hiroko HIRAMATSU
2
1愛媛大学医学部皮膚科学教室
2岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Ehime University School of Medicine
2Department of Dermatology, Okayama University School of Medicine
pp.109-113
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201849
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リンパ管造影の標識色素剤エバンスブルーによる薬疹の3例を報告した.リンパ管造影後皮疹の出現までの期間は10〜12日,1例を除き皮疹は広範囲に認められ,下肢ではエバンスブルーの青染部に一致した帯状分布を示した.皮疹の性状は,紅斑,小丘疹が主で,高齢者の2例は下腿に紫斑を混じていた.また1例では下肢の紅斑は遠心性に拡大し,中心治癒傾向が認められた.皮疹の発生から消褪までの期間は12〜17日で,消褪後にもなおエバンスブルーによる皮膚の青染を残していた.組織像では,真皮上〜中層に小血管の浮腫とその周囲に好酸球を混じた炎症性細胞浸潤と赤血球の漏出が認められた.0.5%エバンスブルー注射液による皮内テストは,全例48時間後陽性で,遅延型アレルギー反応によるものと考えられた.
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