Japanese
English
原著
Juvenile Xanthogranuloma—Cafe au lait斑合併例と兄妹発症例
JUVENILE XANTHOGRANULOMA : TWO CASES WITH CAFE AU LAIT SPOTS AND TWO FAMILIAL CASES
小玉 肇
1
,
藤田 慎一
2
Hajime KODAMA
1
,
Shin-ichi FUJITA
2
1岡山大学医学部皮膚科教室
2岡山赤十字病院皮膚科
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
2Department of Dermatology, Okayama Red Cross Hospital
pp.941-946
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201824
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多発性cafe au lait斑と多発性juvenile xanthogranuloma (JX)が合併した2例と,兄妹に単発性JXが出現した例を報告し,JXと他の黄色腫病変を示す疾患との関連およびJXの病態について考察した.
黄色腫病変を示す疾患は,1)組織球の種瘍性増殖に伴うもの,2)組織球の肉芽腫様増殖に随伴するもの,3)高リポ蛋白血症に合併するものに分類される.JXは2)の範疇に属し,臨床像は,結節型,斑状型および扁平丘疹型の3型に大別される.組織所見はxan—thogranulomaの像を呈するが,臨床像や経過により多様性である.JXでは高リポ蛋白血症性黄色腫と異り,泡沫細胞内の脂質蓄積への血清リポ蛋白の関与は少ないと考えられる.レックリングハウゼン母斑症にJXが合併する頻度は高いが,JXを他の母斑性病変と同列には扱いがたい.しかしJXの組織反応は先天的な因子によつて規定されていると考えるならば母斑性としてよいと考えた.
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