Japanese
English
原著
Pagetoid悪性黒色腫—螢光法(Falck & Hillarp)による観察所見を中心として
A CASE OF PAGETOID MALIGNANT MELANOMA : A STUDY WITH FLUORESCENCE METHOD (Falck & Hillarp)
森嶋 隆文
1
,
桑原 京介
1
,
石川 豊祥
1
,
遠藤 幹夫
1
,
荒川 秀夫
2
Takafumi MORISHIMA
1
,
Kyosuke KUWABARA
1
,
Toyonaga ISHIKAWA
1
,
Mikio ENDO
1
,
Hideo ARAKAWA
2
1日本大学医学部皮膚科学教室
2荒川医院
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.447-453
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201747
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53歳,主婦の左第3趾に,約1年前に発症したと思われるPagetoid(Superficialspreading)malignant melanoma in situの1例を螢光法(Falck & Hillarp)による観察所見を中心として考察した.臨床的には約20×10mm,厚い鱗屑で被われた扁平台状に隆起した黒色の腫瘤で,病理組織学的には微細顆粒状のメラニンを含み,卵円形の核と明るい細胞質とを有する黒色腫細胞が表皮内部の側方あるいは上方に向つて増殖し,その像は一見Paget病を思わす.黒色腫細胞の真皮内への浸潤像は認め難く,基底膜もよく保持され,真皮の炎症性細胞浸潤も軽度であつた.螢光法では黒色腫細胞が表皮内部に大小の胞巣をなして,ときにケラチノサイト間に弧立性に増殖している像が明瞭に認められた.悪性黒子型黒色腫の螢光法による所見と比べると,Pagetoid黒色腫細胞は樹枝状突起を欠き,卵円形で,黄色特異螢光を発し,母斑細胞由来を思わせた.なお,全身処々にみられた黒色小色素斑に悪性変化は証しえなかつた.
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