Japanese
English
原著
皮角の臨床・病理学的検討
CLINICOPATHOLOGICAL STUDIES ON CUTANEOUS HORN
木村 俊次
1
,
中村 絹代
1
,
長島 正治
1
Shunji KIMURA
1
,
Kinuyo NAKAMURA
1
,
Masaji NAGASHIMA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University, School of Medicine
pp.807-813
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201646
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最近15年間に当教室で臨床的に皮角と診断された新生物40例について臨床的および病理組織学的に検討を加えた.臨床的には男女比23対17で男女とも60歳台にピークがある.
顔面に好発し,うち耳介,頬部に比較的多い.組織学的には尋常性疣贅14例,反転性毛嚢角化症6例,脂漏性角化症4例の順に多かつたが,老人性角化腫3例,ボーエン病2例,レ線角化症2例,有棘細胞癌1例で,これら癌および癌前駆症は8例20%を占めた.臨床像と組織像との間にはいくつかの関連性がみられたが,確定診断には組織学的検索が不可欠であつた.皮角とは独立疾患でも老人性角化腫の亜型でもなく,種々の基礎疾患を含んだ臨床的な症状名であるとする説を支持した.
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