Japanese
English
原著
天疱瘡抗体の測定,その国際的基準化の試み
INTERNATIONAL FIELD TRIALS OF IMMUNOFLUORESCENT STUDIES ON AUTO-ANTIBODIES IN PEMPHIGUS GROUPS
植木 宏明
1
,
野原 望
1
,
村田 道里
2
,
川村 明義
2
Hiroaki UEKI
1
,
Nozomi NOHARA
1
,
Michisato MURATA
2
,
Akiyoshi KAWAMURA
2
1川崎医科大学皮膚科教室
2東京大学医科学研究所,免疫
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School
2Department of Immunology, Institute of Medical Science, University of Tokyo
pp.537-542
発行日 1976年7月1日
Published Date 1976/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201609
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天疱瘡類抗体についてのinternational field trialsが未知患者血清を使用して実施された.抗原物質の不安定性,標識抗体の不統一,光学系の違い,観察眼の違い等によつて一部の成績にバラツキが見られた.抗原としてはサルの新鮮な食道粘膜が最適で,ヒト,ウサギ,モルモット食道あるいはヒト皮膚を利用したものもあるが,しばしば低力価を示し,抗原物質の不均質性を示した.使用された標識抗体液ではF/Pモル比,抗体蛋白量にかなりの差があり,それによる成績のバラツキも考えられた.著者等はF/Pモル比1.2,抗体蛋白量11〜22.5mcg/mlで純度の高い標識抗体を使用して,かなり高力価の特異性のある成績を得たが,一方光学系についてもランプの不統一による励起光量の差も大きいと考えられ,今後,この点についての配慮も必要である.以上の如き技術上の配慮と統一化によつて天疱瘡抗体測定値の客観性が保障される.
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