Japanese
English
原著
特異な有棘細胞癌の1例
A PECULIAR CASE OF SQUAMOUS CELL CARCINOMA
堀 真
1
,
前島 和樹
1
,
西本 勝太郎
1
Makoto HORI
1
,
Kazuki MAEJIMA
1
,
Katsutaro NISHIMOTO
1
1長崎大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
pp.369-375
発行日 1976年5月1日
Published Date 1976/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201585
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65歳,女性の左大腿前面に小指頭大の黒褐色隆起性腫瘤を1個生じてきたが,自覚症ないまま放置,その後,周囲に星芒状に米粒大迄位の黒褐色小丘疹を発生した,その後,種々の治療を行つたが,病状はリンパ管型の皮膚転移病巣を左下肢,下腹部,臀部に生じつつ,徐々に進行し,次第に衰弱が加わり死亡した.組織学的には,細胞間橋を有する腫瘍細胞間に黒色色素顆粒を豊富にもつ樹枝状細胞を多数認め,有棘細胞癌に樹枝状メラノブラストの共生を伴うものと思われた.電顕的には,よく発達したtonofilament,desmosomeを有する腫瘍細胞と,tonofilament,desmosomeを欠きmelanosomeを有する正常細胞がみられた.
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