原著
Pilar Cyst—Hybrid typeの1例を中心に
木村 俊次
1
Shunji KIMURA
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Keio University, School of Medicine
pp.379-384
発行日 1976年5月1日
Published Date 1976/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201586
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60歳男子,頭頂部に近い右側頭部に単発したpilar cystについて報告した.嚢腫壁は組織学的に内腔に向うに従つて大型・明調化する上皮性細胞から成り,突然角化して好酸性ほぼ均質な内容物に移行する,壁の一部は破開しその付近にケラトヒアリンと考えられる顆粒を有する部分が認められたことから,これをhybrid cyst (McGavran)あるいはmixed cyst (Pinkus)と考え,その発生機序について若干の考察を加えた.またpilar cystあるいはtrichilemmal cystとして報告された本邦例を集計し,自験例を含めた6例について概観した.
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