Japanese
English
原著
水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の1例—とくに尿素軟膏治療前後の電顕的観察について
A Case of Bullous Congenital Ichthyosiform Erythroderma : Ultrastructural Studies before and after the Topical Treatment with Urea Ointment
伊藤 雅章
1
,
高橋 省三
1
,
諸橋 正昭
1
,
佐藤 良夫
1
Masaaki ITO
1
,
Shozo TAKAHASHI
1
,
Masaaki MOROHASHI
1
,
Yoshio SATO
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.479-488
発行日 1979年6月1日
Published Date 1979/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202069
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水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症の14歳,女子例を報告した.治療として10%尿素軟膏による外用療法を約2ヵ月間施行した.この治療前後の皮膚病変部の生検材料を採取し,これらを光顕的,電顕的に観察し,尿素の角化機構に及ぼす影響を微細構造的に比較検討した.治療前では,定型的な本症の所見を示したが,治療後では,治療前に比し,光顕的にケラトヒアリン顆粒の減少と微細化,電顕的に張原線維凝集塊の減少と萎縮像,ケラトヒアリン顆粒の減少と縮小を認めた.尿素の角層のみならず,有棘層,顆粒層への影響が推察された.
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