Japanese
English
原著
好中球性紅斑
NEUTROPHILIC ERYTHEMA
篠 力
1
,
中溝 慶生
2
Tsutomu SHINO
1
,
Yoshio NAKAMIZO
2
1皮膚科篠医院
2九州大学温泉治療学研究所皮膚科教室
1Shino Private Clinic
2Department or Dermatology, Institute of Balneotherapeutics, Kyushu University
pp.597-607
発行日 1975年7月1日
Published Date 1975/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201460
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浮腫性の紅斑を基盤とし,丘疹状から隆起性局面,結節状,腫瘤状,時に中央が陥凹し環状を示す皮疹を経験することがある.罹患部位は顔面,前腕,頸部,躯幹,下肢の順で,自覚症状はないか,軽度の圧痛,時に疼痛がある.しばしば再発性である.組織所見の特徴は核破壊を伴う好中球浸潤を主とする滲出性炎症像で,増殖性変化は滲出性のそれに比べて強くない.炎症は真皮から一部皮下脂肪に波及するが附属器は正常である.真皮皮下脂肪境界部の小血管は侵されるが壊死性血管炎の像はない.皮疹はコルチコイド内服によく反応する.また皮疹が多発し,発熱,白血球増多等の全身反応を伴う症例もあり,これら重症例では膿疱,結節性紅斑様皮疹を合併することもある.これらの症例はSweet症候群に類似または一致する.われわれは上記の特徴をもつ皮疹を「好中球性紅斑」と呼び経験した13例について検討した.
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