Japanese
English
原著
ウイルス性皮膚疾患の電顕的脱落細胞診
ELECTRON MICROSCOPIC EXFOLIATIVE CYTOLOGY IN VIRAL DERMATOSES
長尾 貞紀
1
,
薗田 紀江子
1
,
我妻 亜喜雄
1
Sadanori NAGAO
1
,
Kieko SONODA
1
,
Akio AZUMA
1
1福島県立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fukushima Medical College
pp.537-542
発行日 1974年7月1日
Published Date 1974/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201330
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数種のウイルス性皮膚疾患の皮疹より,水疱蓋,膿疱蓋,痂皮をピンセットで剥離し,これらをエポン包埋し超薄切片とし電顕的に観察したところ,手足口病をのぞいて,それぞれのウイルス粒子が高率に認められた.この方法は生検手技を用いずに簡単に材料を採取でき,かつウイルス粒子の発見率は高いので,ウイルス性皮膚疾患の診断,特にEczema herpeticumとEczema vaccinatumの鑑別診断に有力な方法であると思われる.この方法は脱落した細胞群を電顕的に観察する方法であり,ウイルス粒子の有無のみならず,細胞の変化も観察しうるので,電顕的脱落細胞診といえる.
手足口病の表皮内封入体様物質のあるものは,電顕的に"fibrillarer Korper"に一致するものと思われた.また表皮内にウイルス粒子を確認出来ず,本法によつては手足口病の診断は他のウイルス性皮膚疾患よりも困難と思われた.
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