Japanese
English
綜説
皮膚感染症をめぐる免疫学的問題
THE IMMUNOLOGICAL APPROACH TO INFECTIOUS DISEASE OF THE SKIN
小川 秀興
1
Hideoki OGAWA
1
1順天堂大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
pp.99-112
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201263
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感染ならびに感染症の定義は明確でないが,感染を,Bellantiは"The process of colonization oforganisms in or on the host"とし,感染症をparasiteの存在がhostに悪影響(疾患)を招来せしめたものと簡単に定義している(Bellanti1)).感染症を形成する諸種の症状は,parasiteに対するhostの反応の結果発現される4,のであり,良きも悪しきも生体の示す防衛手段の実力行使の姿(過程ならびに結果)ともいえよう.皮膚感染症とは,けだし,反応の主舞台を皮膚に持つものといえる.一方,免疫という言葉は広義に使用されているが,感染においては免疫という言葉に"病気を免れる"という語源的意味を持たせることができる(大高2)).このように考えてくると,感染症の成立には,免疫—生体防禦—機構の何らかの破綻が必要となつてくる訳である.
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