Japanese
English
原著
SLE患者に発生したPyridinolcarbamate(Anginin)による薬疹
PYRIDINOLCARBAMATE (ANGININ) ERUPTIONS IN A PATIENT WITH SLE
東 順子
1
,
須貝 哲郎
1
Junko HIGASHI
1
,
Tetsuro SUGAI
1
1大阪回生病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka Kaisei Hospital
pp.863-868
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201218
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27歳,女子.SLEのレイノー症状に対してPyridinolcarbamate(Anginin)を投与していたところ,39℃の熱発とともに全身に皮疹を生じ,内服誘発テストにより本剤によることが確認されたので報告する.薬疹発生前後の本剤内服方法は,Pyridinolcarbamate 750mg 4日間内服,6日間休薬,250mg内服後に皮疹が出現,6日後皮疹消褪,9日後ふたたび250mg内服,発熱頭痛を伴なう発疹を生じ入院.白血球数増加,CRP陽性,LE細胞陽性,尿蛋白陽性,尿沈渣中に赤血球多数出現している.肝機能検査異常なし.一般状態改善,皮疹もほぼ消失した後(本剤最終内服日より12日後)Pyridinolcarbamate 25mg(1/10錠)投与するのみで,発熱頭痛の全身症状を伴なう皮疹の再現,白血球数増加,CRP陽性化をみたことは感作の上昇傾向を示唆する.自験例に示すように薬剤の間歇的投与が感作成立を促がし,さらに感作状態を上昇させることより本剤による中毒性肝炎患者において減感作を試みた例もあるが危険を伴なう可能性が大である.なお,本剤内服に続く発疹の報告は数例あるが,内服誘発テストにより確認した例はないようである.
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