Japanese
English
原著
扁平苔癬の病巣内に発生した有棘細胞癌の1例
A CASE OF SQUAMOUS CELL CARCINOMA DEVELOPED TO APPEAR ON LICHEN PLANUSLESION.
相模 成一郎
1
,
岸村 治美
2
,
熊田 道子
2
Seiichiro SAGAMI
1
,
Harumi KISHIMURA
2
,
Michiko KUMADA
2
1大津赤十字病院皮膚科
2大津赤十字病院外科
1Ohtsu Red Cross Hosp. Division of Dermatology
2Division of Surgery
pp.603-607
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201173
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30年間の経病歴をもつ扁平紅色苔癬の病巣の一つである左上腕部に有棘細胞癌が発生した69歳の男性例を記述した.既存の扁平紅色苔癬を前癌症であると報告する文献は存在するが,病巣皮膚の発癌機構については,現時点ではなお不明である,しかし,熱傷癖痕や慢性の潰瘍性皮膚病巣内における発癌症例をしばしば経験する事実から,扁平紅色苔癬病巣部の皮膚萎縮が発癌に関与しているとも考えられるが,扁平苔癬は先天的な酵素異常に基づく疾患であるとの報告もあり,その発癌機構については今後の検討を要するものと考えられる.
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