一頁講座
比較的簡単なウイルス観察法
橋本 謙
pp.500
発行日 1973年6月1日
Published Date 1973/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201159
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ウイルスの証明は,光顕的に封入体の存在によつて,これを窺うことができるが,実体の観察には電子顕微鏡の拡大率を借りなければならない。水疱を形成する皮膚のウイルス性疾患では,nagative stainが応用されている.この方法は,煩雑な操作を必要とせず,しかも比較的短時間で観察することが可能であり,しかも立体的観察ができる利点がある.筆者もこの方法をしばしば試みているが,手技の未熟さがあつてか,なかなか成功していない.そこで,水疱膜をハサミで切りとつて,標本をつくり,観察したところ,ウイルスの直接証明には,これでも充分であることを経験した.
図1は,女児に発生した水痘の水疱膜の標本にみられたヘルペスウイルス.
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