Japanese
English
原著
胃癌を伴つた皮膚筋炎の1剖検例
AN AUTOPSIED CASE OF DERMATOMYOSITIS ASSOCIATED WITH GASTRIC CARCINOMA
佐藤 昭彦
1
,
立川 治俊
1
,
牧野 好夫
2
Akihiko SATO
1
,
Yoshio MAKINO
1
,
Harutoshi TACHIKAWA
2
1東北大学医学部皮膚科教室
2東北大学医学部第2病理学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Pathology, Tohoku University School of Medicine
pp.245-253
発行日 1973年3月1日
Published Date 1973/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201120
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65歳男.初診の2カ月前に発生した顔面,頸,前胸部の紅斑と四肢の筋肉痛を主訴として来院した.臨床症状と僧帽筋の典型的病理組織学的所見から皮膚筋炎と診断ざれ内科的検索の結果,胃癌が発見された.手術時,腹腔内転移のため根治手術は行なわれず胃切除術を施行した.術後,皮膚筋炎の症状は改善しなかつたが,ステロイドとメトトレキセートの併用は一時,著明な軽快をもたらした.肺炎により死亡し,剖検され,胃癌の多発性肝転移巣,肉様化肺炎,食道と大腸の滑平筋の侵襲などが明らかにされた.40歳以上の本症には高頻度に悪性腫瘍,特に胃癌を合併すること,悪性腫瘍に対する処置が皮膚筋炎に必ずしも有効でないこと,このような症例にメトトレキセートが有効なこと,肺炎の本体,また本症では骨格筋のみならず平滑筋も犯されることなどにつき若干の考按を加えた.
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