Japanese
English
特集 小児の皮膚疾患
小児湿疹の治療
TOPICAL THERAPY OF ECZEMA INFANTUM
儀保 元彦
1
,
小嶋 理一
1
Motohiko GIBO
1
,
Riichi KOJIMA
1
1東京医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Medical College, Tokyo
pp.1281-1286
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200905
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
小児湿疹の発生病理,臨床像,および分類等の詳しい点に関しては諸家の著述に譲るとし,本稿では主として軟膏療法について述べたい。
小児湿疹は15歳以下を対象とするが,新生児,乳児期を除いて年長児の小児湿疹は,成人湿疹の軟膏療法となんら変るものがない。近年,副腎皮質ホルモン剤(以下,ステロイド剤と略す)と軟膏基剤の開発により,種々のステロイド外用剤および内用剤を用いることにより,それらの診断が不明確なままに,簡単に湿疹に用い,これらを治癒せしめ得ると考える傾向が,無きにしも非ずであるが,このような外用剤の乱用は,副作用の点からも,また皮疹形態の変化の点からも慎しんで欲しいものである。戦後,数多くの優れた軟膏基剤—乳剤性基剤,ローション基剤,水溶性基剤—の登場により,従来の油脂性基剤は忘れられた感があるが,筆者らは,乳児湿疹の場合には,やはり今日でも油脂性基剤を併用した方がより早く完治せしめ得るものと信じている。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.