紹介
帯状疱疹の疼痛の治療,他
pp.478
発行日 1962年6月1日
Published Date 1962/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203287
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帯状疱疹後の疼痛は30歳以下では稀であるが,年齢に比例してそれを起す患者の率は増加し,40歳を越えると患者の80%がこれを訴える。70歳以上では患者の45.5%が1年以上に亘つて疼痛を有する。これに対する治療にはアセチルサリチル酸,自家血液療法,放射線療法,コブラ毒下垂体後葉エキス,ビタミンB1およびB12,局所神経麻酔,アルコール浸潤が用いられている。更に著しい外科的侵襲を行つた例もある。しかしこれらが常に有効であるとはいえない。最近の報告によると塩化エチルを罹患部皮膚に噴霧して16例中12例に奏効したという。著者は塩化プロカインを0.1%あるいは0.2%に食塩水に溶かし,この500ccを静脈内に30〜60分の間に注入した。患者は帯状疱疹あるいはその後の神経痛を有する16名であつた。多くは1〜5回の注射で奏効し,僅少例のみ10回を要した。完全に治癒したもの7例,不完全であるが有効のもの6例であつた。本治療は疼痛を去る目的にのみ用いたので,帯状疱疹そのものの治療とは無関係である。副作用は全例に転度に起ったが,注入の速度を減ずることによつて消失した。
(Shanbrom, E.:J.A.M.A.,176,1041,1961)
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