Japanese
English
原著
爪甲剥離症におけるカンジダの役割
THE ROLE OF CANDIDA ALBICANS IN ONYCHOLYSIS
東 禹彦
1
Nobuhiko HIGASHI
1
1関西医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical School
pp.567-573
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201169
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爪甲剥離症におけるカンジダの役割を明らかにするために,狭義の爪甲剥離を有する患者を次の如く3群に分類して比較検討した.すなわち,第1群:爪甲剥離のみ認められたもの31例,第2群:爪甲剥離が1〜数指にあつて,他指・趾爪に真菌性病変を認めたもの12例,第3群:爪甲剥離が1〜数指にあつて,身体のいずれかに真菌症以外の皮膚疾患を認めたもの8例である.第1群の患者は女性に多く,患者は指爪が主で,それも数指にかぎられ,全身性疾患が原因とは考え難く,また検査成績でも全身性疾患との関連性はつかめなかつた.第1,2群では患部から高率に菌要素を検出し,培養では80%以上にカンジダを分離した.第3群ではカンジダは分離されなかつた.薬剤に対する反応も第1,2群と第3群では異なつた.以上の結果から,第1群の爪甲剥離症の大多数は爪に対する外傷や浸軟を誘因として発症し,カンジダ感染を伴うことにより症状の悪化と永続化をきたしたものと推論した.
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