〈原著論文抄録〉
Acrochordonについて,他
籏野 倫
1
,
長島 正治
1
,
田久保 浩
1
,
中村 絹代
1
,
新妻 寛
1
,
三宅 一夫
1
,
吉村 晶子
1
1慶応義塾大学医学部皮膚科
発行日 1967年4月1日
Published Date 1967/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200152
- 有料閲覧
- 文献概要
従来Acrochordon或はcutaneoustags of the neck等と呼ばれた小新生物につき,慶大皮膚科外来患者20例を対象とした病理組織学的検索並びに同皮膚科外来患者716例および同産科外来患者(妊婦)231例を対象とした臨床統計的観察を試み,およそ次の結果を得た。
本症は思春期頃より,年令の増加に伴い,男女性別に関係なく発生増加する有茎小丘疹で,頸部,前胸部肩また腋窩等に好発する。組織学的には,角質増殖,表皮肥厚,乳頭腫症また基底部のくびれ等基本的な4病変を示した。本症は肉眼的にその存在が認められた時よりすでに有茎状を呈するものであって,同時に多数混在した無茎丘疹の大部分は,組織学的に老人性疣贅であった。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.