Japanese
English
症例報告
頭部に生じた悪性皮膚混合腫瘍の1例
A case of malignant mixed tumor of the skin on the scalp
守田 亜希子
1
,
河野 克之
1
,
毛利 忍
1
,
杉本 純一
2
Akiko MORITA
1
,
Katsuyuki KAWANO
1
,
Shinobu MOHRI
1
,
Jun'ichi SUGIMOTO
2
1横浜市立市民病院皮膚科
2杉本皮膚科
1Division of Dermatology, Yokohama City Hospital, Yokohama, Japan
2Sugimoto Dermatology Clinic, Yokohama, Japan
キーワード:
悪性皮膚混合腫瘍
,
軟骨化
,
頭部
Keyword:
悪性皮膚混合腫瘍
,
軟骨化
,
頭部
pp.515-520
発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103694
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要約
44歳,男性.既往歴に統合失調症.1999年頃より右側頭部に自覚症状のない紅色結節が出現し,徐々に増大したが放置していた.2008年10月,当科初診時,右側頭部に鵞卵大,表面疎毛,弾性軟,瓢箪型の一部青黒色に透見される腫瘤を認めた.下床との可動性は良好であった.早期の手術を度々勧めたが,患者の同意を得られず,徐々に腫瘤は増大した.翌年7月,同意を得て全摘術を施行した.病理組織像では,外方性に腫瘍塊を形成し,粘液腫様~軟骨様の間質に異型性を伴う腫瘍細胞が島状,索状,管腔状,囊腫状構造に増殖していた.間質内に孤立性に存在する腫瘍細胞も認めた.腫瘤の辺縁では部分的に非常に異型性の強いbizarreな腫瘍細胞を認めた.辺縁では炎症による刺激を伴い,悪性皮膚混合腫瘍病変の一部が変性し悪性線維性組織球腫様を呈したと考えた.本疾患はきわめて稀な皮膚悪性腫瘍である.確立した治療法はいまだなく,症例の集積と検討が必要である.
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