Japanese
English
症例報告
指状嵌入細胞肉腫(interdigitating dendritic cell sarcoma)の1例
A case of interdigitating dendritic cell sarcoma
辻 奈苗
1
,
山際 秋沙
1
,
谷口 芳記
1
,
三井 泰
2
,
奈良 佳治
3
Nanae TSUJI
1
,
Akia YAMAGIWA
1
,
Yoshiki TANIGUCHI
1
,
Yasushi MITSUI
2
,
Yoshiharu NARA
3
1市立四日市病院皮膚科
2市立四日市病院耳鼻科
3市立四日市病院病理部
1Division of Dermatology, Yokkaichi Municipal Hospital, Yokkaichi, Japan
2Division of Otolaryngology, Yokkaichi Municipal Hospital, Yokkaichi, Japan
3Department of Pathology, Yokkaichi Municipal Hospital, Yokkaichi, Japan
キーワード:
interdigitating dendritic cell sarcoma
,
biopsy
,
組織球・樹状細胞系腫瘍
Keyword:
interdigitating dendritic cell sarcoma
,
biopsy
,
組織球・樹状細胞系腫瘍
pp.899-903
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103438
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要約 33歳,男性.2009年7月頃より,頸部の有痛性リンパ節腫脹,発熱があった.抗生剤を投与したが改善せず,徐々にリンパ節は鶏卵大に増大した.顔面には痂皮を付着した赤色丘疹が多数出現したため,2009年8月当科を初診した.両頰部,前額部にかけて,一部痂皮を伴う紅色丘疹と,左頰骨の腫脹,および両下顎にクルミ大のリンパ節腫大を認めた.CT上,両側耳下腺内に2cmまでの腫大した複数のリンパ節と,両側内深頸領域,下顎部,鎖骨窩にも腫大したリンパ節が散在していた.血液検査では,白血球数の上昇と軽度の肝機能障害があった.また,可溶性IL-2レセプターも959U/mlと上昇していた.頰部丘疹より皮膚生検した.病理は真皮を主体として,明るく,ややくびれのある核を有する組織球様細胞と,非特異的なリンパ球浸潤を認め,免疫組織検査にて,組織球様の細胞はS100,CD68(KP-1)を発現し,CD1a,leukocyte common antigen,HBM45は陰性であった.組織像,免疫組織検査の結果からは指状嵌入細胞肉腫と診断した.指状嵌入細胞肉腫は稀な疾患であるが,皮膚症状が主訴となる可能性も念頭に置き,診断を進める必要がある.本症例においては,皮膚生検が診断に有用であった.
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