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書評 ―編:日本フットケア学会―フットケア 基礎的知識から専門的技術まで 第2版
館 正弘
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1東北大学大学院・形成外科学
pp.706
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103396
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フットケアはスキンケアやネイルケアのみに限定するのではなく,生活習慣病の増加に伴って発生するさまざまな足病変の予防から治療までを網羅する,広範囲かつ多彩な取り組みを包含する.足・下腿に難治性の潰瘍や壊疽を持つために,健康な社会生活を送ることができない患者は増加の一途をたどっているものの,専門施設の数が足りないことも問題点として表面化してきている.早期診断と適切な加療によって大切断を回避できる道筋はできつつあるものの,実態は手遅れの足が医療の谷間でさまよっているのが実情に近い.筆者の科(形成外科)でも,入院患者数の30~40%に上ることがある.
国内外の学会でlimb salvage(患肢温存)のためのセッションは多く行われているが,課題として浮かび上がってきている事項は,専門施設と地域の医療機関との連携の重要性,および患者教育を含めた医療従事者への教育の必要性である.今現在,日本において医学部の学生・看護学生に救肢についてのテーマで多職種による講義を実施している教育機関はまずないであろう.そうした中,教育に着目して精力的に啓蒙活動を行ってきたのが日本フットケア学会であり,学会が総力を挙げて編集した『フットケア(第2版)』がこのたび上梓された.
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