Japanese
English
症例報告
心病変を伴ったサルコイドーシスの1例
A case of sarcoidosis with cardiac involvement
塩田 剛章
1
,
石崎 純子
1
,
布田 伸一
2
,
三橋 哲也
2
,
田中 勝
1
Takeaki SHIODA
1
,
Sumiko ISHIZAKI
1
,
Shinichi NUNODA
2
,
Tetsuya MITSUHASHI
2
,
Masaru TANAKA
1
1東京女子医科大学東医療センター皮膚科
2東京女子医科大学東医療センター内科
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University Medical Center East,Tokyo,Japan
2Department of Internal Medicine(Cardiology),Tokyo Women's Medical University Medical Center East,Tokyo,Japan
キーワード:
サルコイドーシス
,
瘢痕浸潤
,
意識消失
,
タリウム心筋シンチグラフィ
Keyword:
サルコイドーシス
,
瘢痕浸潤
,
意識消失
,
タリウム心筋シンチグラフィ
pp.954-958
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103094
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要約 76歳,女性.全身倦怠感で初発し,意識消失発作で当院救命センターに入院した.胸部CTで両側肺門・上縦隔リンパ節腫脹,ツベルクリン反応陰性,リゾチーム高値などからサルコイドーシスによる心病変が疑われたが,心電図と心筋生検では異常がなく,皮膚所見の有無につき当科に依頼となった.左膝蓋の軽微な暗紅色の紅斑と背部の落屑性紅斑より皮膚生検を施行し,類上皮細胞肉芽腫を認めたためサルコイドーシスと確定診断した.また,ガリウム(Ga)シンチグラフィで上縦隔と左室心筋に集積があり,タリウム(Tl)心筋シンチグラフィにて前側壁と後下壁に集積低下があり,心病変が判明した.サルコイドーシスの心病変頻度は5%であるが,死因の47~78%を心病変が占める.しかし,生前に診断されるのは3割以下に過ぎない.心筋生検の陽性率は2割と低いが,Tl心筋シンチグラフィでは7割に集積低下が検出され極めて有用である.また軽微な皮膚症状でも生検を行うことがサルコイドーシスの早期診断に重要である.
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