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特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
4. 皮膚疾患治療のポイント
アダパレンの使用法
Clues to make the best use of adapalene
宮地 良樹
1
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine,Kyoto,Japan
キーワード:
アダパレン
,
皮膚刺激性
,
微小面皰
,
併用療法
,
抗炎症作用
Keyword:
アダパレン
,
皮膚刺激性
,
微小面皰
,
併用療法
,
抗炎症作用
pp.92-95
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102280
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要約 痤瘡治療の世界標準薬であるアダパレンが処方可能となり,その薬効・薬理を理解したうえでの正しい使用法が求められている.アダパレンには主作用ともいうべき皮膚刺激性があるので,あらかじめ使用前に患者に痤瘡の病態も含めて十分説明し,当初は少量を隔日に前額などの限局した部分から外用を開始する,保湿剤を併用するなどの工夫が必要である.この皮膚刺激は約2週間で忍容されるので,微小面皰の抑制を念頭に,その後は顔面全体に塗布することが再発予防にも有用である.また,抗菌薬に対する耐性菌の出現を憂慮して,欧米ではレチノイド外用薬との併用が推奨されており,わが国でも単剤治療から併用治療への転換が図られるべきであろう.アダパレンには抗炎症作用や組織リモデリング制御作用があるので,炎症性痤瘡や瘢痕予防を念頭に置いた使用が検証されるべきである.アダパレンを契機に,わが国の痤瘡治療が大きく変容し,「たかがニキビ」といわれた痤瘡患者にとって大きな福音となることが期待される.
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