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特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
2. 皮膚疾患の病態
毛髪奇形の見方と考え方
Clinical and pathological features of hair anomalies with hair fragility
橋本 剛
1
,
伊藤 雅章
1
Tsuyoshi HASHIMOTO
1
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻細胞機能講座皮膚科学分野
1Division of Dermatology,Department of Cellular Function,Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences,Niigata,Japan
キーワード:
毛髪奇形
,
結節性裂毛症
,
陥入性裂毛症
,
連珠毛
,
白輪毛
Keyword:
毛髪奇形
,
結節性裂毛症
,
陥入性裂毛症
,
連珠毛
,
白輪毛
pp.28-32
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102267
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要約 毛髪奇形(hair anomaly)とは,毛髪の質,構造の異常による毛髪の形態異常ないし脆弱な状態をいう.易断裂性による脱毛を呈することがあり,毛髪の易断裂性を伴う脱毛を見た場合には毛髪奇形の精査が必要である.脱毛の原因となりうる毛髪奇形として,結節性裂毛症,陥入性裂毛症,連珠毛,白輪毛などがある.結節性裂毛症は種々の先天性および後天性疾患あるいは物理化学的障害による毛幹脆弱性を背景として外力で生じる二次的変化であり,絵筆を向かい合わせたような破壊像を呈する.陥入性裂毛症はNetherton症候群に特異的な毛髪奇形で,SPINK5遺伝子の変異による内毛根鞘と毛小皮の強度低下のため角化帯において毛幹の遠位側が近位側に陥入して形成される.連珠毛はケラチン遺伝子の変異により周期的な毛幹狭小化をきたして数珠状外観を呈する.白輪毛は毛幹に含気性空隙による白色輪を生じるもので,原因遺伝子は未同定である.
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