Japanese
English
特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
1. 最近話題の皮膚疾患
口内炎を見直す―外用薬の適正な使用のために
Reconsidering the diagnosis of stomatitis for appropriate application of the medicine for external use
岸本 裕充
1
Hiromitsu KISHIMOTO
1
1兵庫医科大学歯科口腔外科学講座
1Department of Dentistry and Oral Surgery,Hyogo College of Medicine,Nishinomiya,Japan
キーワード:
カンジダ
,
口内炎
,
アフタ
,
ステロイド
,
外用薬
Keyword:
カンジダ
,
口内炎
,
アフタ
,
ステロイド
,
外用薬
pp.22-25
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102266
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 日常臨床において比較的遭遇する頻度の高い「口内炎」として,①再発性アフタ,②(義歯などの接触による)褥瘡性潰瘍,③カンジダ性口内炎,④ウイルス性口内炎,を取り上げる.(患者の自己判断も含め)「口内炎」という漠然とした診断の下,安易にステロイド軟膏が処方されることがある.これら4つの疾患のうち,カンジダ性口内炎とウイルス性口内炎に対しては,感染の増悪を招く怖れがあるので,原則としてステロイド軟膏を使用すべきでない.
白くなる典型的な急性偽膜性カンジダと異なり,白くならない「慢性萎縮性カンジダ」は義歯性口内炎,口角炎,舌炎として生じることが多いが,誤診されてステロイド軟膏が使用され,難治化していることもある.この慢性萎縮性カンジダは中高年者で唾液の分泌低下を伴って見られることが多く,義歯性口内炎,口角炎,舌炎においてはカンジダの関与を念頭に,抗真菌薬の投与も検討すべきである.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.