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皮膚ループスエリテマトーデスの国際学会であるInternational Conference of Cutaneous Lupus Erythematosus(ICCLE)が最初に開催されたのは,2004年9月のドイツのデュッセルドルフである.今回,第2回目となるICCLEが和歌山県立医大皮膚科学教室主幹のもと,2008年5月11日から13日までの3日間,京都市左京区にある京都大学の芝蘭会館(京都大学医学部創立100年事業記念館)で開催された.期間中の京都はやや曇り気味で,木々の小枝やうす緑色の葉が風に大きくなびく日もあったが,気温は暖かく,諸外国からの参加者にも比較的過ごしやすいように思われた.参加者の総数は150人ほどであり,国内外の参加者比率はほぼ半々であった.今回のプログラムには,1つの特別講演,2つの基調講演, 45の口頭発表,56のポスター発表が含まれた.
学会初日は,Keynote Lectureとして京都大学 坂口志文教授のRegulatory T cells for self-tolerance and immune homeostasisと題した免疫の話があり,T細胞性の自己免疫反応を,いかにRegulatory T cellがコントロールするかを講演した.引き続いて,和歌山県立医大病院長であり麻酔科の畑埜教授によるHistory of Seishu Hanaoka, Wakayama and Kyoto in modern medicineと題した特別講演があった.畑埜教授の思惑どおりに会場は楽しい雰囲気に包まれた.ところで,今回の学会では,Travel grantや 優秀なポスターには「Seishu 賞」が設けられていた.Seishu 賞は和歌山出身の華岡青洲(はなおかせいしゅう)先生の名前由来である.青洲先生は麻酔という概念が存在しない約200年前に,麻酔効果のあるマンダラゲ(大きな白い花:現在和歌山県立医大のシンボルとなっている)の根の部分を野山で集め,マンダラゲを主成分とする麻酔薬「通仙散」を開発した.青洲先生は,この「通仙散」を用いた動物実験や家族への実験的投与などを経て,世界で初めて全身麻酔下に乳癌の手術をした人物である.今回の学会では,Seishu賞(Travel grantと優秀なポスター賞含む)は総勢約20人に贈られ,皮膚ループス研究者へのエールとなった.
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