原著
Lupus Erythematosus Profundus
稲垣 安紀
1
,
幸田 衞
1
,
岡 大介
1
,
植木 宏明
1
Yasunori INAGAKI
1
,
Mamoru KOHDA
1
,
Daisuke OKA
1
,
Hiroaki UEKI
1
1川崎医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School
pp.549-554
発行日 1985年7月1日
Published Date 1985/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203275
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当科で経験したlupus erythematosus profundus (LEP)の11例を報告した.そのうち,SLEに生じた,いわゆる第1型LEPは4例であり,LEP単独例つまり第3型LEPは7症例であった.組織学的には病変の中心は真皮深層から皮下脂肪織にあり,主にリンパ球性の血管炎の像と種々の程度の非特異性脂肪織炎および葉間結合織のnecrobiosis様変化,ムチンの沈着を伴っていた.螢光抗体法では11例中4例の真皮の血管壁に免疫グロブリン(主にIgM)と補体の沈着を認め,本症の発症機序における自己抗体の関与を推測した.治療にはステロイド剤が最も有効と考えられ,特に全身投与を早期に開始した症例と,すでにSLEと診断され,ステロイド剤の全身投与をLEP発症時に受けていた症例では比較的,経過が早く,治癒後のcup-shapedの陥凹も少なかった.
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