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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
強皮症肺動脈性肺高血圧症に対する新規治療―エンドセリンレセプター拮抗薬とPDE5阻害薬
Novel therapy for systemic sclerosis patients with pulmonary arterial hypertension:Endothelin receptor antagonist and PDE5 inhibitor
濱口 儒人
1
Yasuhito HAMAGUCHI
1
1金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Kanazawa University Graduate School of Medical Science, Kanazawa, Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
肺動脈性肺高血圧症
,
ボセンタン
,
シルデナフィル
Keyword:
全身性強皮症
,
肺動脈性肺高血圧症
,
ボセンタン
,
シルデナフィル
pp.137-139
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101962
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要約 全身性強皮症をはじめ膠原病に合併する肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は,予後を規定する内臓合併症の1つである.これまでのPAH治療には限界があり,満足な結果が得られることは少なかった.最近,エンドセリン受容体拮抗薬であるボセンタンとPDE5阻害薬であるシルデナフィルがPAHに有効であることが明らかにされ,PAHに対する治療戦略に新たな選択肢が加わった.どちらも経口投与が可能であり,肺血管選択性に優れ,急性効果に加え慢性効果も有している.このことは,われわれ臨床家にとって朗報である.一方,どちらも新規の薬剤であり,予想されない副作用が生じる可能性もある.実際,本邦ではボセンタンによる肝障害の頻度は欧米よりも多い印象がある.したがって,有効性に加え,長期にわたる安全性に関しても今後症例を蓄積し,さらなる評価が必要と考えられる.
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