Japanese
English
症例報告
下腹部に発生した懸垂性eccrine poromaの1例
A case of pedunculated eccrine poroma
黄原 久美子
1
,
森原 潔
1
Kumiko KIHARA
1
,
Kiyoshi MORIHARA
1
1市立福知山市民病院皮膚科
1Division of Dermatology, Fukuchiyama City Hospital, Fukuchiyama, Japan
キーワード:
eccrine poroma
,
懸垂性
,
有茎性
,
下腹部
Keyword:
eccrine poroma
,
懸垂性
,
有茎性
,
下腹部
pp.316-318
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101926
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要約 76歳,男性.約40年前に右下腹部に暗赤色の腫瘤が出現した.自覚症状がないため放置していたところ,徐々に増大し懸垂性となったため,来院した.右下腹部に25×19×12mmの懸垂性で暗赤色,弾性軟の腫瘤を認めた.基部は正常皮膚色で,幅1mm,長さ15mmであった.病理組織学的には,腫瘍は表皮と連続して真皮内に増殖していた.腫瘍細胞は核が好塩基性で正常の有棘細胞よりやや小型のいわゆるporoma cell で,異型性や核分裂像,メラニン色素はなかった.また,好酸性の胞体をもつcuticular cellを内壁とした管腔様構造も認められた.以上の所見から,eccrine poromaと診断した.本邦報告例で懸垂性を呈した症例は,過去20年間で調べえた限りでは自験例を含めて部位を問わず7例しかなく,稀と考えた.
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