連載
アメリカで皮膚科医になって(16)【最終回】
藤田 真由美
1
1コロラド大学皮膚科
pp.754-756
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101755
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電子カルテ(Electronic Medical Record)
以前,前連載「米国皮膚科医への道」で,アメリカの外来診療に欠かせないのが綿密なカルテ作成と書いたが,このカルテ制度が最近変わってきた.カルテは文書の保管に必須であるが,スペース,管理の問題,また最近のコンピュータ技術の発達により,カルテを電子化しようという動向が全国で急速に進んでいる.これによりデータは永久に保存され,また,最終的にはすべての病院のカルテや情報がネットワークを通じて得ることができるようになる.もちろん,個人情報の秘密は厳守され,医療機関など特定の場所や人物でないと情報が得られないような仕組みは必要だが.これによって,引っ越しをして別の土地へ移っても,旅行中に怪我や病気をしても,以前のカルテ情報(既往歴,手術,薬,アレルギーなど)が即座に入手でき,手早く適切な治療を受けることが可能となる.
その始めの試みとして,コロラド大学皮膚科では,文書口述タイプ以外のカルテなどをスキャンしてみたが,手間がかかるのと,スキャンしても医師の汚い手書き文書は判読不能なことが多く,また文書でなく画像としてコンピュータに保存されるので容量をとることもあり,しばらくして中止となった.
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