Japanese
English
治療
健康成人の人工的乾燥皮膚における保湿剤の有用性
Usefulness of moisturizers for artificially dried skin in healthy subjects
川島 眞
1
,
沼野 香世子
2
,
石崎 千明
2
Makoto KAWASHIMA
1
,
Kayoko NUMANO
2
,
Chiaki ISHIZAKI
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2つばさクリニック
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
2Tsubasa Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
保湿剤
,
乾燥皮膚
,
ランダム化比較試験
,
ヘパリン類似物質
,
尿素
Keyword:
保湿剤
,
乾燥皮膚
,
ランダム化比較試験
,
ヘパリン類似物質
,
尿素
pp.563-568
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101710
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要約 健康成人の前腕部に作製した人工的乾燥皮膚におけるヘパリン類似物質含有製剤(ヒルドイド(R)ローション:HL),尿素製剤(尿素ローション)およびワセリンの保湿効果を,ランダム化比較試験で評価した.試験薬は1日1回3日間連続して対象部位に塗布し,経日的に角層水分量および経表皮水分喪失量を測定し,皮膚乾燥度を評価した.HL塗布部位は,無塗布部位に比べ角層水分量が有意に改善し,薬剤間比較においても尿素ローションおよびワセリン塗布部位に比べ有意に高い角層水分量を示した.尿素ローションおよびワセリン塗布部位は,有意ではないが角層水分量の改善傾向を示した.また,いずれの保湿剤とも皮膚乾燥度の改善傾向を示したが,経表皮水分喪失量については改善効果を示さなかった.以上より,今回試験した保湿剤は,乾燥皮膚の生理学的機能異常を改善することが示唆され,なかでもHLは,他剤よりも優れた保湿効果を有することが示唆された.
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